「言葉でどれだけ言っても
気づかないようだから、
自覚させてやったんだ。

いいか――この姿を、
ちゃんと覚えておけ」



洸さんはそう言って、
静かにあたしの傍を離れた。



離れる間際にもう一言――
彼がサラリと紡いだ言葉に、
あたしの心がトクンと揺れる。



「殻を破れよ。

そうすれば、お前はもっと
変わっていける。

オレは、そんなお前を
見てみたい」



「洸……さん………」




「千夜子ちゃん、その服は
プレゼントだから。

メイクもこれから璃子に
習えばいい。すぐに、自分
でもできるようになるさ」


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