《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

そしてとうとう、ため息と
共に紡がれた璃子さんの
声が、耳に届く。



「―――完成。

もういいよ千夜子ちゃん、
目開けても」



「はい………」



そっと、まぶたを開いた。



最初に映ったのは満足そうに
微笑んでる璃子さんの顔と――
その隣に立つ、洸さんの顔。



「どう、洸?」



璃子さんの問いかけに、
洸さんはまっすぐあたしを
見たまま、



「――わざわざ言うまでも
ないだろ」



そう言って……ほんの少し
だけ、口元を緩めたように
見えた。


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