《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

そしてその言葉には、
不思議なくらい大きな力が
あるってことを――洸さんは、
わかって言ってるのかな?



(そう言われたら、あたしは
もう、逆らえないんだよ……)



前を向いておとなしくなった
あたしを見て、洸さんは
そっと離れた。



代わって璃子さんがその
位置に立ち、再びあたしの
髪に触れる。



「じゃ、目閉じててね」



暗闇に閉ざされた視界の中、
音と感覚で髪にハサミが
入ったのがわかる。



横も、後ろも、前髪も……
色んな所を切られて、その
後もしばらく何かをつけたり
ドライヤーをかけたりされた。


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