《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

「そっけないって……」



それは、わかってるけど……。



「長さはそんなに変えない。

――ホラ、前を向け」



洸さんがあたしの正面に
立ち、俯いてた顔をアゴに
手をやってクイッと上向かせる。



ドキッとして思わず首を
すくめてしまうと、今度は
両肩に手を置かれて、



「シャンとしろ。

大丈夫だ。オレを信じろ」



「洸さん………」



やっぱりズルい、洸さんは。



そんなにさりげなく言っても……
あたしにはその言葉は、
すごく大きな意味を
持ってるのに。


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