さぁここから二股スタート☆☆




《ななちゃん…やっぱ"先輩"って呼んでもいい??なんか、言いにくいから》


「まぁいいけど…」


《じゃあ先輩っ!!明日会える??》


「えぇ~っと…ちょっとまってね~」





私は手帳を見た。




(…あ…明日は裕也と映画行く約束してたっけ…)



「ごめん。明日はちょっと用事が…明後日なら空いてるけど?」


《じゃあ、明後日!!映画見に行こうよっ♪【源氏物語】見てみたいんだ♪》





【源氏物語】って…


明日裕也と見る映画じゃん…(笑)





「え~…」


《先輩、映画嫌??》


「う…ううん!!嫌じゃないよ☆」


《じゃあ、決まり♪》





まぁ…二股してたら、こういうこともあるよね(笑)







そして、映画の日…



「裕也おっそいな~」


待ち合わせの場所で裕也を待つ。




プルルルル プルルルル




ケータイがポケットで鳴る。




(……ぁ…晃樹くんだ!!!)



「もしもーし♪」


《先輩、今どこ~?》


「…今…駅前だけど…」


《そんなとこで何してるの????》


「…と…友達と待ち合わせ☆」




ふぅ~…危ない危ない(笑)




《あのさ、俺今駅前の近くにいるんだけど、一瞬だけでも会えないかな???》


「…え゙っ!?今!?!?」


《だめ??俺、どうしても先輩に会いたいんだけど…》




えぇ~…そんなこと言われても…


裕也と待ち合わせしてるのにぃ~





「わかった…今どこ???」


《今はちょうど映画館の前。》


「今すぐ行くから待ってて!!!」





私は電話を切り、走って映画館へ向かう。

映画館は、駅のすぐ近くにある。





(…裕也が来るまでの間、少しなら会ってもいいよね……っ??)