(とりあえず、私と裕也のカップルは校内で有名だから、同じ学校の人とは二股できないよね~。)



そんなことを考えながら、家までの帰り道を歩いていた。




すると、すれ違った男の子が、財布を落として行った。



私は落ちている財布を手に取った。




「……すいませーん!!!落としましたよー???」



私は、財布を片手に男の子を追いかけた。



「……え…俺???」


男の子は、私の声に気づき振り返った。




(…うわぁ~可愛い顔してるなぁ~…)


男の子は、黒髪で襟足が少し長めの髪に、白い肌、くりっと大きな目、すっとした鼻に、薄く整った唇、シャープな輪郭…



あまりの可愛さに思わず見とれてしまった。




「…あっ!!ほんとだ!!いつの間に落としてたんだろ…ありがとうございま……」


男の子は、財布を受け取ると、私の顔をじっと見てきた。




「……な…なに???」



「…………先輩…???」





せ…せんぱい???☆☆☆




男の子の意味不明な言葉。





「…もしかして……ななこ先輩じゃないですか…???」



「…な…なんで名前知ってんの…???」