――『どうぞ、入って。』

「…ぉ、邪魔します…。」


来ちゃいました。

王子様の家。


『何か飲む?』

「ぇ?あっと……」

『ぁ、それよりお風呂だよね。』

「ぇ」


まさか、


『お風呂入ってきなよ。……えっと、着替えはー…、』


固まる私を余所に、クローゼットの中を漁りだす王子様。

ちょっと待って、

お風呂?

私が?


『あった!』

「!!」


王子様が持って来たのは、黒の短パンとTシャツ。


『ちょっと…いやかなり大きいと思うけど、着替え。お風呂場は、あそこね。下着は…さすがにないんだけど。』

「へっ!?いやっ、だっ、大丈夫ですっ…!ありがとうございますっ」

『ぁっ…んと、ごめんね。』

「ぃ、いえっ…!」


下着のことを言われて恥ずかしくなった私は、謝ってくれてる王子様の声を背に、お風呂場へと駆け込んだ。