誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




――「ありがとうございましたっ!」


お風呂からあがって、このまま出勤できるように準備を済ませて。

今回も新様に迷惑をかけてしまったために、また今度、お礼のことも言って。


『気を付けてね。また今度。』

「……っ、はい!失礼しますっ!」


笑顔で、“また今度”と言ってくれた新様にテンションが上がる。

お辞儀をした私は、すぐさま病院に向かったのだった。



――――――――……
―――――……
―――……


「おはようございますっ!」

『…ぁあ、水川さん。おはよう。』


小児科ナースステーションに着くと、先輩である真山さんがもう白衣を来ていた。


「おはようございます。真山さん、お一人ですか?」

『ぇえ、もうすぐで古賀さんも来るんじゃないかしら?あの人、いつもギリギリだから…。それより、あと10分で朝礼の時間よ。早く着替えて。……アルコールの臭いも、ね。』

「すっ、すみませんっ…!!今すぐに!」


わーっ!

最悪…っ


昨日の服のまんまだから、お酒臭いんだ!

お風呂入ったのにー…


慌てて更衣室に入り、白衣に着替えてボディミストでアルコールの臭いを消した私だった。