誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




『――…それで、何であんな所でお酒飲んでたの?』

「ぇ」


またまた新様に朝食をご馳走になる。

大満足しているところにこの質問。

答えづらくて私は焦る。


「なっ、なんでもないですよ…!?ただちょっと、飲みたくなっただけで……」

『……かなり嘘臭いよ?』

「っっ…!」

『何があったの。』


真剣な眼差しが向けられる。

本人を前に、“あなたの彼女のことを勘違いして、やけ酒してました”なんて言えない…。


『あゆみん?』

「ぃや、あの…ちょっと、嫌なことが……」

『嫌なことって?』

「………」


だから言えないんだってーーっ!!

この乙女心分かってよぉ~!


「……ふ、ふ…」

『“ふ”?』

「……っ」


言おうとすればするほど、噛んでしまって中々言えない。

誰か…助けてぇーー(泣)