誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




「ぉ、姉さ…?」

『そ。姉さん。昨日は旦那さんの誕生日プレゼントの買い出しに付き合わされてたの。』

「………」


彼女じゃ、ない……

それって、まだ私、フラれたわけじゃないんだよね…?

まだ、望みはあるんだよね…!?


『…それに、あゆみんのこと迷惑なんて思ってたら、わざわざ家に連れてこないよ。そのまま公園に置いとけば良かったんだし。』

「あ……」

『ったく、何を言い出すかと思ったら、俺に彼女がいるだの、迷惑だのって…やっぱ放っとけないよ。』

「……ごめんなさい…。」


新様に嫌な思いをさせてしまったと分かって、本当に申し訳なく思う。


『じゃぁ、もう変な勘違いしないでね。ビックリするから(笑)』

「はい…」


勘違い、か…。

本当に、勘違いで良かったぁ……。