誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




「ぇぁ…すっ、すみませんっ!私ッ、お邪魔でしたよね!」


昨日のワンシーンを思い出し、あの時、新様の横にあの女の人がいたかもしれない、とふと思った私は、とんでもないことをしてしまったとパニックになる。


『あゆみん!?全然邪魔なんかじゃないよ!?』

「!!…ぃ、いえっ!彼女さんに勘違いされては、新様にご迷惑がかかります!一刻も早く、彼女さんの元へ…!!私はすぐに出ていきますから!」

『ちょっ…!』


ベッドの横にあった私の鞄を取り、1秒でも早く出ていこうとする私。


『――ちょっ、…ちょっと待って!』

「っ!?」


そんな私の腕を、新様が引っ張った。


『……何か、勘違いしてない?』

「···え?」


か、ん…違い…?

引っ張られた腕が熱を帯始める。

新様の言ってることが、分からなかった。