誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




「こ、こ……」


見たことあるカーテン、カレンダー、クロゼット、セミダブルベッド。

まさか…、ここって…――、


キィ――

『ぁ、おはよう、あゆみん。』

「っっ!!?」


覚めてくる意識の仲、現れた新様。


「いっっ…!」

『大丈夫!?あんなに飲むから…、』


急に起き上がったせいで、頭に鈍器で殴られたような痛みが走った。

驚きと、戸惑いと、痛みと、いろんなものが混ざり合って、何が何だか分からなかった。


「ぁの…私、どうして……、」


昨日の今日で新様の顔が見れないけれど、小さな声で今の状態の説明を求める。


『あれ、覚えてない?』

「………」


遠慮がちに、一回頷く。


『昨日、公園でお酒飲んでて、あまりに酔いが酷いから、家に上げたんだよ。』

「…っ!?」


公園で、誰かに話しかけられたのは覚えてる。

でもそれが…ぁ、新様だったの!?