誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




『んにゃ…?』

『おい、裕南!しっかりしろ!』


酔っ払いの裕南のところへ駆けつけて来たのは、裕南の旦那さんだった。


「ぁれ…裕南の…?」

『こんばんは、榊 彼方です。裕南が逆に迷惑を…、』

『ダァーリンっ!』

『わっ!ちょっ…』

『しゅきーっ!』


目の前で繰り広げられるラブシーン。

…勝手にやってろ。


「…さらに悪酔いが…」


ラブラブやってる2人を背にして、おぼつかない足取りでもと来た道に戻った。


――「…ぷはーっ!」


途中、飲み足りないと感じた私はコンビニにて缶チューハイを買い、いつもの公園でやけ酒をしていた。

明日のことなんて考えていない私はがんがん飲む。

飲みまくる。

気付けば、もう缶チューハイ5本目だった。


呂律なんて回ってない。

ただ飲むだけ。

なんだか分からないけど、今はただ飲んでいたかった。

――そんな時、


『…あゆみん!?』


私の前に、新様が現れた。