「よっ、よよよ呼び捨て!?」

『そんな驚かなくても…、』

「ぉ、おお驚きますよ!新様を呼び捨てになんて出来ません!」


新様は新様だし!

それに、新様を呼び捨てにしても良いのは…、

恋人だけしか、ダメな気がする…。


『そうかなぁー…。』

「はい、私には出来ません。」


納得いかなさそうにしている新様に、ちゃんと断りを入れて納得してもらう。


『じゃぁさ!おねーさんの名前教えてよ!』

「……ぇ?」


すると何を思ったのか、新様が閃いたようにそう言った。

私の…名前?

……あれ。


「ぁの、まだ私、名前を名乗ってませんでしたっけ?」

『クスクスっ…知ってたら、俺はおねーさんの名前で呼んでるよ。』


クスクスと笑う新様に私は血が上るような気がした。


「もっ、申し訳ありません!」

『ぇえ!?』

「名前も名乗らず、とんだ失礼を…ッ!どうかお許しを!」

『ぅ、うん?』


困惑気味の新様の声が聞こえるが、私は謝り続けた。