――「新様っ、シチュー出来ましたよ!」


シチューが完成して、盛りつけを終わらせると、新様を呼びに行った。


『ぁ、もう出来た?』

「はい、一応。」


テレビを見ていた新様が、こちらを向いて笑顔をくれる。

今は…それだけで十分だ。

欲張っちゃだめだよ。


『じゃ、食べよー。』


新様が立ち上がったのを見て、私はダイニングテーブルの席に着いた。


『ぉ、美味しそー!』


ダイニングに来るなり、嬉しそうな笑顔を零す新様。

その笑顔に、私も自然と笑顔になる。


『じゃ、手を合わせてー。』

「はっ、はい」

『いただきますっ!』

「いただきます。」


新様も席に着くと、早速シチューを食べ始めた。

シチューを口に運ぶ新様の手が、スローモーションでゆっくりと映る。

シチューを口に含んだ瞬間…、


『ん!美味い!』

「……!!」


とびきりの新様の笑顔が溢れた。