誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―



『おっ、おねーさん!?』

「お願いします!私に新様の夕食を作らせてください!」


驚く新様を前に、未だ私は頭を下げたまま。

だって、追い返されるのだけはいや。

今日のために、今日はがんばって仕事して、濃くならないようにちゃんと化粧もしたし、

なんてったって、断られたら、私の心が壊れちゃう!!


『……まぁ、取り敢えず、…入って?』


頭を下げている私に、開かれた新様の家の玄関のドア。


「っっ…新様、」

『ご飯、作ってくれるんでしょ?』

「っ…はい!」


新様の優しい笑顔と心に、また私は好きになっていくのが分かった。