誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―



――それから2日後。

今、私は新様の家の前にいる。

理由はもちろん、先日のお礼。


今日、日勤で仕事を終えた私はスーパーに寄り、食材を買って、直ぐ様、新様の家へと直行。

手には、スーパーの袋と、新様から借りた服が入った紙袋を持って。


――そこまではいいのだが。


「……やばい…」


新様がいつご帰宅になるのか確認してなかったよ……。

呼び鈴を押しても誰も出ない状況から、今、新様は家にいらっしゃらないことが分かった。

完全にドジった私。

やらかしてしまった。


「…どーしよ~…」


新様の玄関前で私は頭を抱える。

ここで待つにしても、ご近所様の迷惑にはなりたくないし、

一番、気になるのは、

ここで待ったとして、

新様に私のことストーカーって思われてしまうのか…

ってゆうか、

この行動自体が重い!?


色々と頭の中で不安ばかりが生まれて、さらに頭を抱えた。

…そんな時、


――『……ぉねーさん…?』

「っ!?」

『ぁ、やっぱりこの間のおねーさんだ。』


スーツ姿の新様が、笑顔で立っていらっしゃった。