誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




今まであゆみんの腕を掴んでいた手が…力なく離れていく。


「何で…?」

『ッ…、』

「あゆみんっ…?」


教えてくれよ。

何でそう言うのか。

その理由をさ。


いきなり、そんなこと言われても――


『私じゃ、ないです…』

「え…?」

『私じゃないんですッ…!』


あゆみん…?

辛そうに、苦しそうにそう言ったあゆみんから…見えた光。

――!!

っ…何で、


「それ、どういう意味…?」

『っ……』

「何で…泣いてるの?」


どうして君が、

泣いてるの…――?