誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




ねぇ、あゆみん。

今、君は何を想ってそんな哀しい顔をしているの?

俺のこと、嫌いになった?

軽蔑した?

俺の何が…嫌なの?


言ってくれなきゃわかんねぇよ。

俺、よく周りに鈍感だって言われるからさ。

それは俺も良く分かってるんだ。

人が何に悩んで、何に悲しんでいるのかなんて、全然わかんねぇもん。


だからさ…

ちゃんと言ってよ。

あゆみんの言葉で、俺は聞きたい。

あゆみんの、本音を――…。


『…新様っ』

「!…ん?」

『やっぱり…行けません。』

「・・・え?」


突然、口を開いたあゆみん。

やっと、言ってくれるのかと思ったのに


『新様とは、行けません…ッ』


どうしてあゆみんは、そんなこと言うの――?