誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




「秀人くんー…もう遅いよ?寝た方が良いよ。」

『じゃあ抱っこして。』

「抱っこ?」

『うんっ』


ま、マジかよー…!?

目の前では、あゆみんがひでとくんとやらを抱っこしている姿。

大人の俺には、到底こんなことは真似できない。

あんなにくっつくなんて、反則だろ!?

…やっぱり俺は、嫉妬をせずには居られなかった。


『おねぇちゃんの匂いする~』

「やだ、恥ずかしいよ、秀人くん…///」


くっそー…

目の前の2人から、すっごいピンクオーラが見えてしまうのは俺だけだろうか…?

なぜなら、ひでとくんがあゆみんの方に頬をすりすりと擦っていて、それをあゆみんが照れているから。

俺だってあんなにあゆみんとくっついたことないのに!

…まぁ、付き合ってるわけでもないんだけどさ…。

ってゆうかこれ、絶対あゆみんは俺のこと忘れてる状況だよな?


『愛実ねぇちゃんはここでなにしてたの?』

「んー?それはねー…、」


そう言いながら、あゆみんは固まった。

やっと俺の存在を思い出してくれたらしい。