誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




――『すみません!この子、熱が――!!』


病院について、すぐに受け付けに行くと、小児科病棟まで連れてこられた。


『賢吾っ、賢吾っ――…!』

「優梨子さん、落ち着いて。大丈夫。診てもらえば、すぐに良くなるって。」

『でもっ――!』

「こんばんは。」


動揺が隠しきれない優梨子さんを落ち着かせようとしていると、優しく掛けられた声。

その声に釣られて振り返ると、そこには――…


『看護婦さん…!この子を…!』

「はい、お預かりしま――」

『あゆ、みん…?』

「え?あ……」

『あゆみん!』

「…新、様……」


ナース姿の1番会いたかったあゆみんがいた。

あゆみん、ナースだったんだ…。

俺を見ておゆみんも驚いたのか、茫然としていたけれど、すぐに顔が引き締まった。