誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




ピリリッ、ピリリッ


そんな時、室内に鳴り響いた着信音。

このアラーム音は俺じゃない、――とすれば…


『チッ、こんなときに…!』

ピッ、

『はい、もしもし。高梨ですが、』


イライラをあらわにさせながら、電話の応対に出た蒼。


『――え、何ですって・・・?』


そんな蒼が、見る見るうちに焦った顔つきになって行く。

何だ…?

室内に緊張が走る中、


『・・・分かりました。すぐ行きます。』

ピッ


蒼が電話を切った。