誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




賢吾とゲームを始め出して、


「――…っしゃ!勝った――って、賢吾?」

『・・・っ』


賢吾の様子がおかしいことに気付いた。

きつそうに呼吸をしていて、顔も赤い。

賢吾の額に触れてみると――…熱い。

賢吾、熱出てる…!


「――蒼!賢吾が…!」

『んだよ…?賢吾がどうかし――っ賢吾!?っ、優梨子!優梨子!!』

『どうしたの?そんな大声出してっ――賢吾!?』


すぐに蒼を呼んで、優梨子さんもすぐに賢吾に近寄って、賢吾に話しかけている。

・・・が、賢吾は未だ苦しそうにしていて、返事もままならない状況だった。


「…病院!早く病院に・・・!!」

『ぁあ!分かってる…っ、優梨子、車を!』

『はい!』


優梨子さんが車を回しに行ったところで、蒼は体温計を探し出して、賢吾の脇に挟んでいた。