――昨日の夕方。
『新兄ちゃんだぁ~!!』
珍しく仕事を定時で終えた俺は、親友に会いに来ていた。
「おっ、賢吾ー!元気してたか?」
『へへっ、元気だよ~!』
親友の家に入るなり、俺に抱きついてきたのは親友の息子・賢吾。
これまた俺に懐いてくれてちょー可愛いんだ。
俺も息子欲しいな…とか思っちゃうくらい。
『賢吾、離れろ。』
『パパ!』
そこで賢吾に牽制を入れたのは親友・高梨 蒼。
6年前に結婚して、翌年賢吾も生まれて、今、幸せ絶好調の勝ち組。
あんなに堅物で不器用な蒼が、まさか俺より早く結婚するなんてねー…。
思い出すだけで虚しくなってくる。

