誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




『…お腹空いたね。』

「あ…。」


た、確かに…。

お昼から飲まず食わずで働いていた私は、一気に空腹感に襲われた。


『何か作ろうか。』

「え…、新さんが…?」


ちょっと意外だった。

実は、今まで付き合ってきた彼氏たちは、私がご飯を作れないとき、決まって外食するか、コンビニで何かを買いに行くかっていう男たちばかり。

だから、新さんが自分から作るって言ったこと、すごく嬉しかった。

彼氏の手料理なんて初めて…。


『愛実は俺が家事ができない男に見えるの?』

「えっ、ぃ、いやそんな…ッ!」


そ、そういう意味じゃなくって…っ!

新さんの機嫌を少し損ねてしまってた私は、言葉が足りなかったと反省。

うー…ケンカだけはしたくない…。


『ま、いいや。そんな気にすることでもないし。愛実はあっちで寛いでて。』

「えっ…」

『ん?何?』

「わ、私もッ…!」


いくらなんでも、全てを新さんに任せるのは――…