誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




「………ッ」


2人に沈黙が訪れて、私はちょっと恥ずかしい。

わ、私はもうお暇(いとま)した方が…いいよね…?


気がつけばもう9時30分。

いつまでもお邪魔してなどいられない。


「わ、私…、」

『ん?』

「帰ります…!」

『はっ…!?』


小走りに玄関へと向かう私に、驚いて私を追いかけてくる新さ――新、…さん。


『ま、待って…ッ!』

「!!」


優しさを含んだ力強さで、私は手首を掴まれた。

ぁああ

一気に手汗が…!!

緊張のせいで出た手汗を気にしている私に対して、新さんは言う。


『何で、帰ろうとすんの…?』

「っ…だ、だって…!」

『だって、何?』


ッ……

新さんは本当に意地悪だ。