誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




『子どもの扱いも、上手なんだね。』

「それは…。……私、小さな時から年下の子たちと遊ぶことが多くて、泣いてる子とか、ほっとけないから、私。だから、あやすのは得意で。子どもたちの笑った顔、すっごく可愛いんですよ。だから、そんな子どもたちの笑顔、もっと見てたいなって、思ってたんです。」

『そうなんだ。…子ども、好きなんだね。』

「はいっ…とても好きです、大好きなんです!」


ねぇ、新様。

子どもたちの笑顔も好きだけど、

貴方のことも好きなんだよ?

毎日毎日、貴方のことを想わない日なんてなかった。

でも貴方は、ずっと前から、遠い彼方にいる人だったんだね――…。


『…いいな、そんな風にあゆみんに愛されて。』

「・・・え?」

『羨ましいよ。俺は――』

『愛実ねぇちゃん…?』

「っ……」


心臓が高鳴ったその時、私を呼ぶ小さな声。


『愛実ねぇちゃん…!』

「ひ、秀人くん!?」

『おねえちゃん~!!』


振り向くと、そこには涙を流している秀人くんがいた。