誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―




ガラッ

「失礼します…。」

『…来たか。』

「お呼びでしょうか?南先生。」

『おう。』


南先生は、デスクでカルテを記入していた。

多分、賢吾くんのカルテだろう。


『点滴は終わったか?』

「はい、嫌がられましたけど…。」

『フッ…けど、言いくるめたんだろ。』

「……まぁ、聞こえは悪いですけど。」


言いくるめたって…口悪すぎ!!


『今日の働きぶり、良かったぞ。』

「…え?」

『あ?』


唖然としていたら、ギロリと睨まれた。

え、ちょっと待って。

私怒られるんじゃ…?