『別れよう。』

「え…――?」


3日ぶりに彼氏と会った。

可愛くオシャレして、メイクも時間をかけて。

彼から珍しく呼び出されたから、なおさら気合いを入れて。

――…なのに。


『だから、俺達、もう別れようって言ってんの。』

「………」


会って5分で、

私、水川 愛実(ミズカワ アユミ)は、

付き合って2週間の彼氏にフられました。


「…なっ、なんで?理由を教えて?」

『良いのか?言って。』

「もちろんですっ」

『じゃ、言うけど…――』


私は静かに、彼氏である、いや、元彼氏であるリョウくんの言葉を待つ。


『愛実、重い。』

「…―――!」

『愛実自身、何気なくやってるんだろうけど…俺には重すぎ。付き合いきれねぇよ。』


振られた理由を聞き、何も言わなくなった私を見て、リョウくんはあっさりと私の目の前からいなくなった。