「でもっ…ーー」
「ここにいろよ…。」
私の腕を握る力が増してきた。
「頼むから…行くなよ……。」
「まな…ぶ…」
でも私は学の気持ちには多分これから先も応えられないだろう。
私には南先輩しかみえないんだよ…。
「お願いだから、離し…て……?」
でも、腕を握る力は弱まらない。
「え…」
そして私は学に抱きしめられた。
「少しだけ…少しだけだから…」
そう言って。
「俺がこの手を離せばお前はどこに行く?」
「綾音のとこに…」
「行ってなにすんの?お前がアイツになんて言おうとアイツが俺になんて言おうと俺はお前が好きなままだ」
「……。」
「だから今くらいはお前の言う通りになってくれよ…」

