南先輩だったらいいなぁ。なんて思いながらドアの方に視線をうつした。
「萌っ…ーー」
でもそこにいたのは南先輩ではなくて…
「まな…ぶ……」
だったんだ。
「どうしたの?息なんか切らしてさぁ…」
「俺…綾に告られた…」
知ってるよ?
だって相談されたもん。
もちろん、付き合うんだよね?
でもやけにテンションが低い気がするのは何故?
「俺さ…やっぱり…萌が好きなんだ…。」
「……。」
どうしよう…。
これはきっと振ったんだろう。
だったら綾音はきっと泣いている。
今すぐ慰めに行きたいけど、この状態じゃいけないよ…。
「好きなんだよ…。萌……。」
「あっあたし、綾音のところに行かなきゃ」
そして走り出そうとしたとき、
「行くな…。」
学が私の腕を掴んだ。

