「綾音、放課後付き合って」
私は綾音と放課後、サッカー部の練習を見に行った。
「やっぱ暑いね~」
それもそのはず今は7月上旬。
いわゆる真夏直前だ。
「南先輩…。」
私は南先輩をすぐにみつけた。
サッカーのことは良く分からないがそんな私でも雰囲気からわかる。
…上手い……。
練習中は周りに誰も寄せ付けない。
黄色い観戦にさえ応えていない。
きっと集中してるのだろう。
「声掛けて来なよ!」
「綾音…」
「だって知り合いなんでしょ?大丈夫、大丈夫」
綾音に背中を押されても声なんて掛けられない。
あの集中の邪魔だけはしたくない。
「あっあとでね」
適当に理由をつけて私はまたもや南先輩を見つめた。

