小学3年生になったあの日、私の地獄は始まった。
母の実家を出て実家の近くに家族3人、母、兄、私で暮らす事になり春休みが終わってから久しぶりの学校へ行き、新しい教室に新しい教科書、クラス替えで新しい友達が増えたり子供に取って新しい学校の始まりでワクワクしたあの日、私は学校が終わって急いで帰った。
新しく家族3人で暮らす家に、ワクワクしながら急いで帰った。

玄関を開けて中に入る…知らない靴。
母しか居ないはずなのに大人の男の人の声で「お帰り」って聞こえる。
…誰?
恐る恐る中を覗く…小さい頃に見覚えのある顔…あ、知ってる。覚えてる。

母にただいまを告げて母が「覚えてる?」って聞いてきた。
覚えてる。


私は何故か嫌な感じがした。
それは離婚して直ぐ良く家に来ていた人で、実は私の父の親戚で、しかもきっと母の彼氏だった人。

私は自分の父が嫌いだから母に彼氏が出来ようが何でも良かった。
でも私は構われなくなるから母に近づく男はみんな嫌いだった。
子供だから、自分が一番じゃなきゃ嫌だった。

その男は、その日から何故か我が家に暮らし始めた。

そして母が母ではなく女になった。
大好きな母が大嫌いな女になった。

私の戦いは始まった。
終わりの見えない戦争。