「私たちが中学3年生のころ…嵐くんと菜月…小原菜月【コハラ ナツキ】は付き合ってたの…
2人とも小さい頃に両親を亡くして、同じ施設で育って…」


嵐が…施設で?


やっぱり私は嵐のことを何も知らない…


「だから、付き合ったのはその頃だったけど、2人の間には、誰にも割り込めない空気が流れてた。」


愛…


「でも……」


高橋さんは喉を詰まらせた。



「その年の秋…菜月は……交通事故で…」



嘘…



「ひき逃げだった………嵐くんは事故現場にいたから、犯人の特徴とか、覚えてたみたいで…」



ひき逃げ……



高橋さんは泣きながら話続けた。



「でも、嵐くんの証言だけじゃ、犯人…見つからなくて…」


……


「嵐くん……犯人探すって…それから学校も来なくなった…」