私はただの、幼なじみです。





きっと私の後を追って、ずっと待っててくれたんだ。

やっぱり楓とは違うっ




「酷いよね、楓」

「まぁ、忘れてた梅が悪いけどね」

「そうだけどー」




そんないつもと変わらない会話をしながらマンションへ帰る。




「あ、楓にも名前の話、教えてあげなきゃね」

「知ってるんじゃない?」

「知らないかもしれないじゃん。ほら、早く帰ろっ」

「えー、また走るの?」




笑顔で駆け出す私の後ろを、文句を言いながらついてくる。

なんやかんやでいつも、ついてきてくれる。