一途な彼女と意地悪な彼の物語

中庭に着き、私達はお弁当を広げた

「葵、大丈夫?」

「うん、平気…」

なんか…

なんとも言えない気持ちになった

「あれって、A組の清水柑奈〔Shimizu Kanna〕だよね」

紗英ちゃんがサンドイッチを食べなから言った

「そうなの?葵、先生で見えなかった…」

「そっか。まぁ、見なくてよかったよ」

「清水さんってさ、葵が体育サボってたときずっと矢沢先生の側にいた人?」

しぃが言う

初耳だ…

ってか、誰だよ

清水柑奈…

「でも、葵が体育出たしてから大人しくなったよね」

千波が卵焼きを食べなから言う

「そうなんだ」

「なんか、やけに冷静ね。葵」

紗英ちゃんが私の顔を覗き込む

「うん。なんか、別にいいやって思う」

私の一言に3人は目を丸くして私を見る

「どうしたの」

「なんかあった?」

「もう、冷めたの?」

冷めたって…んなわけないよ…

「葵ね、思ったの。葵以上の人なんていないって」

また、目を丸くする3人

何言ってるの?って顔してる

「そのまんまの意味だよ?葵以上に先生をことを好きな人なんていないし、葵以上に先生を困らせたりする人なんていないって思ったの」

「だから、葵はもう大丈夫なの。もう、泣かない」

私、今超勝気なこと言ったな…

ナルシストっぽいかも…