お昼休みになった

「中庭行こー」

紗英ちゃんにお弁当を持ちながら言った

私達はお弁当片手に教室を出た

階段を下りようとしたときだった

「矢沢先生!これ、私が作ったの。食べて!」

女子生徒の声が聞こえた

今、矢沢先生とか言った?

上の階から聞こえてきた

私は迷わず上の階へ行った

「おーい。葵ー?」

「どこ行くの?」

「行き先変更?」

紗英ちゃん達の声が聞こえたけど

気にしている暇はなかった

「先生…?」

階段を上がってすぐに先生の後ろ姿が見えた

「お前…」

先生が私の方を振り返った

女子生徒が先生にお弁当を渡そうとしていたらしい

女子生徒が誰なのかは見えなかった

「ちょっと、葵どうした…」

紗英ちゃんが言う

私の後を追ってきた紗英ちゃん達

「あっ…」

声を出したのは千波

しぃは何も言わず黙っていた

紗英ちゃん達は今の状況を理解したらしい

「葵、行くよ」

紗英ちゃんが私の腕を引っ張って歩き出した

その後に続いてしぃと千波も歩き出した