一途な彼女と意地悪な彼の物語

その後、私はちゃんと高跳びをやった

記録は115cmだった

「先生、葵115cmだったよ」

「わかった」

先生は名簿に記録を記入する

「葵、この前より記録よくなったよ!」

この前の記録は110cmだった

「すごい?すごい?」

「わかったから」

相変わらず、先生は冷たかった

そんなことを話していると

「矢沢先生ー。私、10cmも高く跳べたよ」

1人の女子生徒が先生に話しかけにきた

「おぉ、すごいな!」

「でしょ?」

「頑張ったな」

ねぇ、先生

今なんて言ったの?

先生…

頑張ったな。とか

すごい。とか

私には言ってくれないのに…

他の子には言うんだね…

私、もう無理だよ…

私には褒めてもくれないのに…

冷たい態度ばっかり取るのに…

私は走ってその場を去った