一途な彼女と意地悪な彼の物語

今は入場が終わって整列をしている状態だった

いろいろな声援が聞こえてきた

ついに私の番がきた

「葵ー!!頑張って!」

紗英ちゃん…?

「葵なら出来るよー!!」

しぃも叫んでいた

「頑張れ!」

千波も

3人は体育委員の応援席にいたので、声がよく聞こえた

私は3人の声援に答えた

「うん!葵、頑張るよぉ!」

と言い3人に手を振った

私は選手紹介のとき矢沢先生の方をジッと見た

先生に気づいてもらえるように

すると、先生は私が見ていたのに気づいたのか

先生は私の方を向いて雷管の先を私に向けた

それは一瞬の出来事だった

先生はその後何ごともなかったかのような顔をしていた

ヤバい…

今、私にやったの?

「位置について」

矢沢先生が言うと周りは静かになった

私はスターティングブロックに足をかけた

「よーい」

パーン

雷管の音が響いた

私は走り出した

ハードルを跳び越えて行く

「はぁ…はぁ…」

私は一着にゴールした