5回程走ったとき、グラウンドの隅にあるベンチに1人で座っている矢沢先生を見つけた

「先生!」

私は先生の隣に座った

「お前、練習して来いよ」

「してるよぉ」

「お前の種目何?」

「ハードル!」

あぁ。と言う先生

「あっ、そうだ先生!体育祭でさ、葵がハードルで1番にゴール出来たら褒めてくれる?」

「1番とかお前、余裕だろ」

びっくりしたまさか先生がそんなこと言ってくるとは…

お前には無理。とか言ってくると思った

「うん、余裕」

そう言うと先生は笑った

「なんだよ、それ。せめて新記録出したらとか言えよ」

「新記録出したら褒めてくれるの?」

「出したらな」

「キャー!葵、絶対に新記録出すね!」

「わかった。練習して来い」

「うん!先生、約束だよー」

「わかった、わかった」

私はウキウキしながら練習に戻っていった