朝、私はいつも通りに学校へ来て

先生がいつも体育館から出て来る時間の5分前に教室を出て

体育館へ向かった

先生がいつもより冷たい態度とってくるんじゃないかとか

もう、口聞いてくれないんじゃないか

なんて思いながら体育館まで続く廊下を歩いた

私が体育館に着いたとき、先生はちょうど靴を履き替えていた

「先生!おはよ」

私はいつもと変わらない笑顔で言った

「おぉ」

先生もいつもと変わらなかった

昨日のことなんて忘れちゃったのかな…

なんて思っていると

「おい、機嫌直ったのか」

私は先生の方を見た

「昨日、怒ってただろ」

覚えてたんだ、先生

「怒ってたのは先生でしょ?」

私は笑いながら言った

「怒ってねぇよ」

「怒ってたよ」

「怒ってねぇよ」

「嘘?」

「嘘じゃねぇよ」

「本当?なら、いいけど…」

なんだ…普通じゃん

心配して損した

「じゃあね」

私と先生はいつも下駄箱の近くの階段で別れる

先生は何も言わず職員室へ向かって歩いて行った

私も振り返らなかった