一途な彼女と意地悪な彼の物語

「先生」

「なんだよ」

私は勇気を出した

「葵ね。先生のこと大好きだよ？」

「俺はお前のこと嫌いだ」

「もう！またそれ？」

「またってなんだよ」

私の勇気は水の泡…

少し沈黙が続いた後

「じゃあ、俺。そろそろ行くわ」

「もう行くの？」

「ああ」

本当は行って欲しくない

でも、私にそんなことは言えない

先生は私に背を向けて歩いて行く