一途な彼女と意地悪な彼の物語

「うぅ…うぅ…」

「葵…」

しぃが私の背中を摩りながら言った

「あり…がと…」

制服の裾で涙を拭う

「先生がたが退場します。拍手で送り出しましょう」

パチパチパチ

私も拍手をした

先生のことを目で追ったけど

先生が私のことを見ることはなかった

先生は退場してもう体育館にはいない

「これから、30分の時間を取ります。離任された先生がたがまた体育館に戻ってくるのでその後は自由時間とします」

先生、戻ってくるんだ

「葵、ここにいる?」

しぃが言ってきた

「うん。一応…」

体育館を出て行く人もチラチラといた

「葵ー。大丈夫?あんたの泣く声後ろまで聞こえてきたよ」

紗英ちゃんと千波も来た

「葵、残るって」

しぃが言った

「そっか。じゃあ、あたしも残ろ」

「ウチは顧問の先生に色紙渡すから残るよ」

千波が言った

テニス部の顧問の先生も変わったらしい

「私も残ろうかな…」

しぃが言った

少しの間4人で話していると先生達が体育館に戻ってきた