矢沢先生以外の3人の先生の話が終わり、残りは矢沢先生だけとなった

「次は矢沢先生です」

先生は立ち上がり、舞台の真ん中に立った

私の目の前だった

「こんにちは。矢沢です」

久しぶりに聞く先生の声

また、涙が溢れた

「今回、この学校を離れることを本当に残念に思っています」

先生のそんな言葉聞いたことなかった

「ここの学校の生徒はみんな明るく、廊下ですれちがったときみんな笑顔で話しかけてきてくたことが印象深いです」

私はただ先生を見つめていた

「ここには心配な生徒がたくさんいます」

先生と目が合った

先生は少し笑いながら言った

「特に僕の目の前にいる奴が1番心配ですね」

私のこと?

私はこぼれ落ちる涙も拭わず

先生を見る

「せめて、そいつが卒業してからこの学校を離れたかった。最後に、僕はこの学校にいれて本当によかったです。一生、忘れることはありません」

本当に先生はもうここにはいないんだね…

もう、別のところへ行っちゃったんだ

「ひく…ひく…」

私の涙がとまることはなかった

すると、舞台の上から

「神崎」

私の名前を呼ぶ先生の声が聞こえた

その声を聞くとまた涙が溢れた

私は顔を上げた

「泣くなよ」

そんなこと言われるとよけい泣いちゃうじゃん…

先生…

私のこと見えてる?

そこから私のことはちゃんと見えてる?