「本当に神崎は矢沢先生のことが好きなんだな」

そんな言葉が聞こえたような気がして私は目が覚めた

「当たり前でしょ。小松先生だってあたしやしぃと同じくらい葵のことを近くで見てたでしょ?」

紗英ちゃんの声だ…

「まぁ、そうだな」

小松先生?

「葵があんな風になるのも無理ないよ。大好きな人がいなくなったんだもん…」

「一応、話はしたんだけどな…」

「聞いた。ってか、話したしてないの問題じゃないから」

「あぁ、そうだな」

紗英ちゃん、なんか怒ってる?

私はなぜか起き上がることができなかった

「葵はあれでも頑張ってるよ」

「それは俺だってわかってる」

「さすが、小松先生…」

「だろ?」

そんな2人の会話が聞こえてきた

そろそろ、起きようかな

私は布団をどかしてベッドから下りた

ガラガラ

カーテンを開けた

「あっ、葵起きた?」

そう言ったのは紗英ちゃん

「うん…今って何時?」

「4時だよ」

えっ、私3時間近く寝てたの

「なんか、ごめんね」

「全然いいよ。帰れる?」

「うん」

「よし、決まり。帰ろうか。小松先生帰るね」

あっ、小松先生

忘れてた

「神崎、大丈夫か?」

「うん」

「後数日だ。頑張れよ」

「うん」

離任式までだよね?

「じゃあ、気をつけて帰れよ」

「「さようならー」」

私と紗英ちゃんは手を繋いで帰った