一途な彼女と意地悪な彼の物語

「うぅ…うぅ…」

涙が止まらなかった

「先生…」

私は体育館の真ん中で泣き崩れた

本当は舞台まで行きたかった

けど、あの1番思い出の詰まっている舞台に行ったら私は私でなくなってしまう

「うぅ…先生…会い…たい…」

途切れ途切れの私の言葉は誰にも伝わらない

もう、会えないかもしれない…

もう、話すこともできないかもしれない…

「先生…先生…」

呼んでも呼んでも返事は返ってこない

「先生…先生…戻って来てよ…!」

もうどうすることもできないのにそう叫ぶ私は本当におかしくなってきたのかもしれない

「うぅ…先生…」

こんなにも泣けるんだって思えるくらい涙が出た

目はパンパンに腫れ上がり

化粧も落ちている状態