一途な彼女と意地悪な彼の物語

「それでは各クラスごとに教室へ戻って下さい」

生徒会の子が言う

私は動くことができなかった

「葵…大丈夫?」

しぃが言った

「うん…」

本当は大丈夫なんかじゃない

でも、大丈夫って言っておかないと自分が壊れちゃいそう…

「葵!」

「紗英ちゃん、千波…」

2人は心配そうな話をしていた

「大丈夫?矢沢が学校変わるなんてね…」

「葵は大丈夫だよ…教室戻ろ…」

絶対今の私、大丈夫な顔してないな…

自分でもわかるぐらい顔が引きつっている

紗英ちゃん達は歩き出した

足が震えてる…

本当はしゃがみ込んで声を上げて泣きたい…

だけど、紗英ちゃん達を困らせるわけにはいかない

私は紗英ちゃん達の後を追った

足が震えるため歩きにくかった