「儲からないだけでやめちゃったの?」

「あぁ。そうだよ」

「先生なら絶対になれたのに…」

「何言ってんだよ」

本当、何言ってんだよ私…

「でも、先生が先生になってなかったら。葵は先生と出会ってなかったね?」

「陸上の選手になればよかった…」

「ひどい!それって葵と出会わなければよかったって言ってるようなもんだよ!!」

「バレたか…」

「もう!バカ」

何時の間にか私と先生は笑っていた

ねぇ、先生

先生、葵に嘘ついたよね?

お金が儲からないだけの理由で夢を諦めたわけじゃないよね?

先生のその悲しそうな横顔が全てを語っているよ?

今にも泣き出しちゃいそうな悲しい顔をしていたよ…