キーンコーン カーンコーン

1時間目の終わりの鐘がなった

「サボっちゃったね…」

しぃが言う

私と紗英ちゃんはよく2人でサボってたけど、しぃと千波はこれが初めてのサボりだと思う…

「まっ、しょうがないでしょ。葵のとっても大切な話だったんだから」

と私の方を見る紗英ちゃん

「ごめん…」

「教室、戻りますかぁ」

千波の一言で私達は屋上を出た

廊下を歩いていると

「あっ、あたしヒロのところ行ってくるね!」

紗英ちゃんが走り出した

「次って英語だよね?私、恭ちゃんに教科書貸してたんだ!取りに行ってくるね」

しぃも走って行った

「あ…、ウチはトイレ!!」

ついには、千波まで…

どうしたんだろ

すると…

「おい!」

声が聞こえた、噂のあの人の…

振り返ると

「あっ、矢沢先生」

3人が走って行った訳がわかった気がする

「お前、俺の授業サボってんじゃねぇよ!」

どうやら1時間目は体育だったらしい

「ごめんね?」

「ごめんねじゃねぇよ…」

ドンッ

肩を叩かれた

「痛っ!そんなに思い切り叩かなくてもいいじゃん!」

「お前には、これくらいしなきゃ効かねぇだろ。太ってるから」

笑いながら言う先生

「ひどい!バカ」

「デブ、早くしないと次の授業に遅れるぞ」

それだけ言うと、先生は歩いて行った