一途な彼女と意地悪な彼の物語

次の日の朝

私はいつも通り先生に会いに行った

朝練終わりのバスケ部の先輩に睨まれるのにももう慣れた

体育館から出てきた矢沢先生は私の姿を見ると

小松先生と顔を見合わせて笑った

「先生ー!」

私は矢沢先生の側に駆け寄る

「なんか、最近大人しいと思ったのにな…」

「葵だってずっと先生に会いたかったよ?」

「アハハハ!」

いきなり笑い出す小松先生

「何笑ってんだよ」

「なんで笑うの?」

私と矢沢先生は小松先生を見る

「いやー本当面白いですねぇ」

「なんにも面白くねぇよ」

矢沢先生は言う

「先生、怒っちゃダメだよ」

「怒ってねぇよ」

大きい声で矢沢先生は叫ぶ

それを見て私と小松先生は笑った

やっぱり矢沢先生といると楽しいな…